2007-02-25

錆びたシャッターと親父の奇行

親父はけっこう達筆な人だった。時折人から何かの書き物を頼まれて筆を執っていたりもしていた。そしてメモ魔というぐらい細かいことから日記まで小さなノートに何冊も走り書きしてあった。マジックで店の値札やPOP広告なんかも。
こんな几帳面なマメな人が痴呆やアルツハイマーになりやすいのだろうか?
そんなある日、これも夜母から聞いたのだが、母も気づかない間に店の入り口のガラス戸に張り紙がしてあったらしい。
内容は、〇〇〇は(シャッターを取り付けてくれた業者さんの名前) ~万円出したのにこんな(上げ下げできない)シャッターを付けた。というもの・・ 
島は強風が吹くと潮風がすごく塩害もひどい、ずっと何年も前にシャッターは錆びてきていた。親父も充分承知していただろうが、日々の上げ下げしずらいシャッターに苛つき、病がこの奇行をさせたらしい。 POP広告じゃあるまいし・・・字がうまくて書く事が好きなのも考えもんだぜ父ちゃん。
狭い地域だから通って見た人はどこの業者さんかすぐ判る、狭い地域だからすぐ噂になる、狭い地域だからすぐ書かれた本人の家の耳に入る。
その業者さんの奥さんが怒鳴り込んできてお袋はびっくり仰天したという。事情を話して謝ったとのこと。
日中家に居ない自分にとって親父も、そしてお袋も気がかりでしかたなくなってきた。

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